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『ギャザリング』

『ギャザリング』

映画『ギャザリング(原題:The Gathering)』ブライアン・ギルバート監督(2002)について。

ストーリーアーサー王伝説とロック・フェスティバルで有名なイングランド南西部サマセット州グラストンベリーGlastonbury)の丘陵で2人の若者が惨死する。地下の古代教会跡に転落するという不幸な事故だった。この教会はキリスト像が背後を向くという顕著な特徴をもっていた。紀元1世紀に創設された後、中世の黒死病(ペスト)流行時に人の手により埋められたものらしい。

地下教会の遺跡が調査されつつあるころ、アメリカからの旅行者とみられる若い女性キャシー・グラントクリスティーナ・リッチ)がグラストンベリーで交通事故に遭う。自動車に跳ね飛ばされ死亡しても不思議のない状況下、奇跡的にキャシーは軽症だった。しかし彼女は記憶を失っていた。

交通事故の加害者となったカークマン一家の住むライム・コート(Lime Court)にキャシーは一時滞在することになる。ここはかつて虐待された子供たちのための施設であった歴史をもつ古い屋敷だ。

カークマン家の2人の子供たち(マイケルエマ)と親しくなったキャシーは、ライム・コートでの生活を楽しむようになる。が、不思議な幻覚をたびたび見るようにもなってゆく。幻覚はマイケルの運命と密接な関係があるらしい。

それと同時に灰色の服を身につけた奇妙な男女(Gathering)がグラストンベリーの街に現れ、キャシーにつきまとうようになる。何か忌まわしいことが起きるらしいという予感が強まるなか、キャシーはマイケルを守り抜くことを誓う・・・。

感想》主演のクリスティーナ・リッチに尽きます。クリスティーナ・リッチのファンなら彼女の存在感ある演技を満喫できるでしょう。そうでなければ「いまひとつ物足りない映画」となるかもしれません。

私がクリスティーナ・リッチに最初に注目したのは『アダムス・ファミリー(原題:The Addams Family)』バリー・ソネンフェルド監督(1991)でした。モンスター一家の小学生の長女ウェンズデー役。いまなら「ゴスロリ」と表現されるかもしれない古風な黒服、真っ白な顔に黒髪の少女には不思議な魅力がありました。

その後『キャスパー(原題:Casper)』ブラッド・シルバーリング監督(1995)のキャット役で再会。「大きくなったな〜」と思いました。まるで久し振りに会った親戚の少女を見ているような感覚です(笑)。『アダムス・ファミリー』でも『キャスパー』でも「ちょっと(かなり?)変わっているけれど可愛い女の子」役がぴったりでした。

その後のクリスティーナは『スリーピー・ホロウ』『アイス・ストーム』『私は「うつ依存症」の女』と快進撃を続けると同時に、子役から大人の女優への脱皮に成功しました。現在ではハリウッド若手俳優のなかでも独特のポジションを占める実力派女優と目されているようです(ただし本格的に演技の勉強をしたことはないのだとか)。

ギャザリング』でのクリスティーナ・リッチは顔の線が鋭角的になり「大人になったなあ」という印象です。小柄ではあるけれど体格はよくて「筋力が強そう!」とも思いました。特典映像のインタビューでは撮影中に共演のヨアン・グリフィズと一緒にジムに行ったという発言もありました。

劇中、サイモン・カークマン(マイケルとエマの父親)とルーク司祭の会話に「アリマタヤのヨセフ」とでてくるのは実在した人物です。キリスト処刑後に総督ピラトに願ってキリストの遺体を引き取り埋葬したと聖書に記述されています。

イングランドの古い伝説ではアリマタヤのヨセフはキリスト処刑直後にキリストを貫いた聖槍を持ってブリタニアに渡ったとされているようです。この聖槍は「ロンギヌスの槍」とも呼ばれています。ロールプレイングゲームでは「ロンギヌスの槍」は強力なアイテムとしてたびたび登場しますから、名前に聞き覚えのある方も少なくないでしょう。

映画『ギャザリング』では記憶喪失の主人公キャシーとは何者か? という謎もストーリーの軸のひとつになっています。以下に伏線となっている部分を指摘しておきます(キーボード操作「Ctrl + A」で「すべてを選択」として、画面を暗転させることにより読むことができます)。

■ 以下ややネタバレです ■


  • 救急病院の場面、ストレッチャーで搬送中のキャシーの手の動き。

  • キャシーは紹介される前からマイケルとエマの名前を知っていた。




(『ギャザリング』ブライアン・ギルバート監督、2002))

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『夜の記憶』

『夜の記憶』トマス・H・クックロシア語同時通訳者であり作家であった米原万里さん(1950-2006)の書評集『打ちのめされるようなすごい本』文藝春秋(2006)で激賞されていたのが、本書『夜の記憶』です。

米国のミステリ作家トマス・H・クックによる『夜の記憶』は、たしかに「打ちのめされるようなすごい」小説でした。そして、米原万里さんが保証されているように、非常に怖い本でもあります。恐怖への耐性が弱い方(怖がりの方)にはお勧めできかねる「暗黒ミステリ」とも言えるでしょう。

主人公は45歳の独身男性ポール・グレーヴズ。彼の職業は「ミステリ作家」です。彼がこれまで書いてきた15編の長編小説には常に同じ者たちが登場します。残虐きわまる犯罪常習者「ケスラー」。その手先の「サイクス」。そして彼らを追う警官「スロヴァック」。

ケスラーは被害者を嬲《なぶ》り殺しにすることに至上の喜びを感じるような本物の人殺しですが、自分の手を汚すようなことはしません。彼の部下(奴隷)である、臆病な小男サイクスに命じて拷問・虐殺を行なわせるのです。

スロヴァック刑事は正義感に燃える優秀な警察官ですが、ケスラー・サイクスとの闘いにおいては敗北につぐ敗北を重ねています。悪と善の戦いは20年以上にわたって続けられ、このごろではスロヴァックは疲れきり意気消沈し、おのれの敗北を強く予感しています。

これらの陰鬱な物語を書きつづけるポール・グレーヴズもまた凄惨きわまる体験の持ち主でした。彼がまだ13歳の少年だったころ、16歳の姉グウェンが長時間にわたる暴行・拷問を受け殺害されたのです。しかも犯罪はポールの目の前で行なわれました。ポールにはいつか自分は自殺するだろうという確信があります。

そんなポールの元に一風変わった依頼が寄せられます。半世紀前に16歳で変死した少女フェイ、その死の真相を推理し「物語」にするという依頼です。依頼主は裕福な老婦人アリソン・デイヴィス。かつてアリソンと死んだ少女フェイは「主従」関係を超えて親しい友人同士でした。フェイの母親の心に平和をもたらすため、というのが依頼主アリソンの言い分でした。

ポール・グレーヴズは老婦人アリソンの所有するロッジに泊り込み、調査・執筆を開始します。そして、同時期にアリソンの客となっていた女性脚本家エレナー・スターンと知り合い、親しみを増していきます。ポールは2つの「死」の真相の解明を進めていきます。50年前の少女の死と姉の死と・・・。

物語終盤ではそれぞれの「死」に関して驚愕の事実が明らかにされます。とはいえ、私(喜八)は途中で片方の「真相」に気づきました(もう、一方は分かりませんでした)。ただし、予測がついたからと言って恐怖の量は低減しませんでした。やはりこれは「打ちのめされるようなすごい」恐ろしい小説です。

自身が創り上げた登場人物「ポール・グレーヴズ」と同様、トマス・H・クックも凄惨な死にまつわる物語を書きつづけている作家です。クックの小説のほぼ総てが「打ちのめされるような」暗黒ミステリなのです。読者の誰しもが「おそらく・・・」と思っているでしょう。

そのクックの暗さに惹かれて翻訳されている作品の半分以上を読んでみました。その中では『死の記憶』にもっとも感銘を受けました。平和に穏やかに暮らしていた男が、ある日、妻と2人の子供(長女と長男)を射殺して(?)行方不明になる。ただ1人生き残った「次男」が悲劇の真相を探るというというストーリーです。この小説にも驚愕のラストが待ち構えています。

一時はクックの暗黒ミステリを憑かれたように読み耽った私ですが、いまはそれほどでもありません。それこそ「憑きが落ちた」ように「クックの暗黒世界」から離れました。理由は自分でもよく分かりません・・・。


(『夜の記憶』トマス・H・クック、文春文庫、2000)


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『ディセント』

『ディセント』

ディセント(原題:The Descent)』ニール・マーシャル監督(2005)

ストーリー》女性6人のグループが、アメリカ合州国アパラチア山脈奥地の洞窟探検(ケイビング、Caving)を試みる。そこは既に多くの愛好家たちによって歩き尽くされた、いわば「観光名所」のような場所であるはずだった。しかし、メンバーの1人の意図的な「誤導」により、一行は未知の洞窟へと足を踏み入れることになる。

地下深くを行く途中、突然、落盤事故が発生する。6人の女性は孤立してしまう。彼女らがこの未知の洞窟に入ったことを知る者は誰もいない。もう、進むしか選択肢はなくなった。けれども、闇の奥には彼女らには想像もつかない「脅威」が待ち受けていた・・・。

感想》「これはこれで悪くない」と思いました。主人公たちが地下に棲息する異形の生物により襲われるというストーリーは、ひとつ間違えれば極度に陳腐なものに成り果てかねませんが、『ディセント』では(いちおう)成功しています。

低予算ホラーには有り勝ちな「暗闇をライティングで表現する」手法が、それなりに功を奏しています。他のホラー映画で夜の場面を延々と「闇と光」のコントラストで見せられたりすると「いい加減にしてくれ!」と思うことが多いのですが、この映画の場合そういう気分にはなりませんでした。おそらく「地下深い洞窟」という設定になっているためでしょう。

「ケイビング」「ロッククライミング(岩壁登攀)」などの描写や小道具が物珍しく、観客を飽きさせないという面もあるかもしれません。また、私(喜八)には閉所恐怖症の気があるので、その意味でも恐怖はいや増すばかりでした。這ってようやく前進できるような狭い洞窟を行く場面は良くできています。

ただし、手放しで誉められる「傑作」というわけでもありません。私が苦痛に感じたのは、登場する6人の女性たちの個性が立っていないこと。暗闇の場面では「誰が誰だか分からない」ことが多くて、ちょっとイライラします。また、洞窟に入る前夜、6人がロッジで飲み明かすというシークエンスも冗長な印象です。

ラストシーンは、先に鑑賞した『サイレントヒル』に相通ずるものがありました(「母と娘」というテーマです)。ラストに関しても「これはこれで悪くない」と思いました。


(『ディセント』ニール・マーシャル監督、2005)


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海と山、オニギリ

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わびすけさん(妙齢の女性です)から「海と船」の写真を送っていただきました。
いつも有り難うございます〜。

以下はわびすけさんのメッセージです。
喜八さんこんにちはー。
先日引いてしまった風邪を長引かせてスツキリしない連休です。
先日海へ出かけました。
目的は釣りでしたが・・・。
こんな風景を見ながらオニギリを食べて帰ってきました
それだけで充分ステキな時間でした
以下ふたたび喜八

風邪とはいけませんね。
今年はいまだに風邪が流行っているようです。
どうもタチがよくない風邪のようですから、お気をつけください!

ところで、見ているだけで心が穏やかになるような写真ですね。
写真中央の小船は漁師さんでしょうか。
「海苔の養殖かな?」なんて思いました(シロウトの当てずっぽうですが・・・)。

海や山で食べるオニギリは本当に美味しい!
最近は山歩きもすっかりご無沙汰状態なのですが、以前はガス式の携帯コンロとコッヘル(携帯用ナベ)で味噌汁を作って、オニギリと一緒にいただくのが恒例でした。

いちおう私(喜八)が「味噌汁担当」だったんですよ。
そんなにウマくはつくれませんが、長ねぎ・ワカメ・豆腐・油揚げ・ジャガイモ・ほうれん草などの「定番」のほか、豚肉・ベーコン・ニラ・キムチ・シジミなどを使ったこともありました。

なんて書いていたら、また山歩きをしたくなってきました!
テントを担いでノンビリと高山を行く。
山上温泉に漬かり友と美酒を酌み交わす。
酔っ払ったらゴロリと横になり、満点の星を見上げる。
こんな山歩きを復活させたいですね〜。

あれれ?
海の話から山の話になってしまいました!(笑)


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川上貞奴

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わびすけさん(注:女性です)から「成田山貞照寺」と「川上貞奴の別荘」の画像を送っていただきました。
ありがとうございます!

以下はわびすけさんのメッセージです。

喜八さんこんばんはー。
HPを始めてなんと8年目に入りました。
喜八さんは勿論沢山の人に励まされて続けられております。
喜八さんとのコラボも4年目??? 少し花もマンネリ化しそうなので、以前紹介した福沢桃介ゆかりの川上貞奴の眠る岐阜県各務原市の成田山貞照寺(1枚目)と川上貞奴の別荘(2、3枚目)の写真をお届けします。

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以下ふたたび喜八

福沢桃介(1868-1938)という人のことは、以前(2005年05月ごろ)、わびすけさんに紹介されて初めて知りました。その節はご教示ありがとうございました! 以下がそのとき別ブログ「喜八ログ」で書いた記事です。

 「福沢桃介
  • 慶応義塾学生のころ、塾長福沢諭吉の次女ふさに見初められ、福沢家に婿入り。

  • 北海道で「北海道炭礦鉄道会社」に就職するが、当時は「死病」として恐れられていた結核になり退職。

  • 病身でもできる仕事として株の売買を開始。「相場師」「兜町の飛将軍」などの異名がつく。

  • 電力事業に邁進し木曽川の水力発電を開発。「電力王」と呼ばれるようになる。

  • 日本初の女優である川上貞奴と公然な愛人関係をもつ。
いや〜、凄い人生です。まさに「明治人の気骨」です。

川上貞奴は日本初の女優であり、パリ公演の際には画家ピカソ、彫刻家ロダン、小説家アンドレ・ジイドたちからモテモテであったと伝えられています。彼女がどういう容貌の女性であったか? やはり男のひとりとして私も気になります(笑)。そこでインターネットで調べてみたところ、次のページを見つけました。

 「成田山貞照寺−川上貞奴

これは「成田山貞照寺」さんのサイト内の1ページですね。これらの写真からの印象では「マダム貞奴」は明治の人としては大柄で「健康美」を誇る女性だったように思われます。きっと頭のよく、きっぷのよい方だったに違いありません。一代の風雲児・福沢桃介の初恋の人であり晩年の伴侶であった川上貞奴もまた「風雲を呼ぶ女性」だったのでしょうね・・・。

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長誓寺の桜

長誓寺の桜1

わびすけさん(※女性です)から「長誓寺の桜」の画像を送っていただきました。ありがとうございます。
喜八さんこんにちはー。
今年早くも2回目の花見をして来ました。
孫と一緒に・・孫は花より団子派。
ここは長誓寺と言う無人のお寺ですが毎年出かけますが、今年は花が須子内様に感じました。
以下ふたたび喜八

毎年毎年、桜の花を見て感動する。
これには「飽きる」ということがないですね。
今後何十年生きようとも、春になって「花」に再会すれば、おなじように心を動かされるのでしょう。

わびすけさんには昨年(2006)も「長誓寺のしだれ桜」の写真を送っていただきました。
それだけでなく、これまでに多くの桜の花の写真をいただきました(別ブログ「喜八ログ」の記事です)。
以上のページを巡ってみましたら、まるで「桜づくし」ですね!
俗塵にまみれた私も心が洗われるような思いをしました。
わびすけさんには改めまして深く御礼を申し上げます。

今後ともよろしくお願いします!

長誓寺の桜2


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