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『デモナータ 2 悪魔の盗人ダレン・シャン作「デモナータ(The Demonata)」シリーズ第2作です(橋本恵訳)。
主人公は第1作とは変わって、コーネリアス・フレック少年(通称カーネル)。「宙を動く、色とりどりの奇妙な光」が見えるため、同級生など周囲の人たちからは「いかれている」「変人」と見なされています。そのため、カーネルには友達がいません。いつも独りぼっちです。また、彼には生まれつき髪の毛がありません。
あるとき、カーネルは不思議な光の中から怪物(悪魔)が出現するのを目撃してしまいます。そして、気を失います。カーネルがふたたび意識を取り戻すと大騒ぎになっていました。彼は数日間行方不明状態になっていたのです。行方不明になっていた間の記憶をカーネルは失っていました。
その後、カーネルにもよく分からない事情でフレック一家は「夜逃げ」同然の有様で急に引っ越しをすることになります。父親のカスピアン(絵描き)、母親のメレーナ(大学講師)、まだ赤ん坊の弟アート、カーネルの4人はこれまで住んでいた都会を脱出し、パスキンスンという小さな村に落ち着きます。ここは工芸家・芸術家の村でした。
以前、通っていた都会の学校と違って、パスキンスンの村の子供たちはカーネルをことさらに差別するようなことはありませんでした(光が見えることを口外しなかったからでもありますが)。カーネルは村の生活に馴染んでいきます。何をするにも幼い弟のアートがいつも一緒です。カーネルは弟を心から愛していました。
ところが、平穏な生活に陰が差し始めます。「魔女」というあだ名のミス・イギン、村の誰とも付き合わず孤立した生活を送っている女性が、カーネルとアートを脅すような言動を取り始めたのです。そして、もしカーネルが誰かほかの者にいいつけたら、喉を耳から耳まで切り裂いてやると脅迫します。
ある日、破局がやってきました。村の子供たちが屋外授業をしているとき、ミス・イギンがやってきて、大きな声で怒鳴り始めます。そして、なんと身体が破裂して死んでしまいます。
ミス・イギンが死んだ場所には縦2メートル横1メートルの地上50〜60センチに浮かぶ「大きい灰色の光のパネル」が出現します。これは悪魔の世界と人間の世界をつなぐ「まど」でした。カーネルは嫌な予感がして皆に逃げるように告げましたが、すでに手遅れでした。「まど」からは悪魔カダパーが出現し、先生や生徒たちを手当たり次第に殺し始めます。
カーネルは幼い弟を連れて逃げようとしましたが、悪魔に弟を攫われてしまいます。一瞬、迷った彼ですが、悪魔を追って「まど」に飛び込みます。「まど」の向こうは悪魔の世界「デモナータ」でした。これよりカーネルの悪夢のような追跡行が始まります・・・。
と、今回は思わずストーリー紹介が長くなってしまいました(笑)。
物語は、コーネリアス・フレック少年(カーネル)が弟のアートを救出するというシンプルな構成です。が、なかなか凝ったミステリが仕組まれています。「ああ、なるほど! そうだったんだ!」という「種明かし」が複数回ありました。私(喜八)はこういうのは好きですね。
カーネルとともに戦う「魔術同盟」のメンバーの中に、ダービッシュ・グレイディがいます。第1作と第3作にもグレブス少年の叔父として登場するダービッシュです。ただ、この第2作『デモナータ 2 悪魔の盗人
なんと言っても、続きを読むのが待ち遠しいシリーズです。つい最近、原語(英語)版の第5巻『Blood Beast』が出版されました。1・3巻とおなじくグルービッチ・グレイディ(グレブス)とダービッシュ叔父が主人公です。日本語翻訳版が早くでないかものかと楽しみにしています。
(『デモナータ 2 悪魔の盗人』ダレン・シャン、小学館、2006)
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- 2007-06-05
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若き天才ホラー小説家ダレン・シャンによる「デモナータ(The Demonata)」シリーズ第3作『デモナータ 3 スローター作家ダレン・シャンといえば、自分と同名の少年ヴァンパイアを主人公とした「ダレン・シャン・サーガ(全12巻)」で世界的大ヒットを飛ばした後も、その創作意欲は衰えることがなく「デモナータ」も快調に出版され続けています。
子供向けに書かれた「ダレン・シャン」のことはまったく知らなかったのですが、知人に勧められて第1巻『奇怪なサーカス』を読んでみたら、「なかなかイケル」。それで2巻目以降も読み進めると、巻を追うごとに面白さが増してゆく。「これはかなりの才能だ!」と驚かされました。全12巻を読み終わったときは非常な満足感を覚えたのです。
そして「デモナータ」シリーズ。こちらも「ダレン・シャン」をさらにパワーアップしたような面白さです。これはもう「子供向けホラー」とは言えないかもしれません。
現在「デモナータ」シリーズは原作・翻訳ともに第4巻まで出版されています。そして第5巻「Blood Beast」は2007年の06月06日に出版される予定です。シリーズの奇数巻、つまり1・3・5巻の主人公は現代に生きる少年グルービッチ・グレイディ。第2巻の主人公は20年ほどさかのぼった時代の少年コーネリアス・フレック。第4巻は5世紀のアイルランドに住む少女ベックという、ちょっと凝った構成になっています。
主人公たちの共通の「敵」は強大な力を持つ悪魔のロード・ロス。人間を激しく憎んでいて、人間を残虐にいたぶって殺すのが何よりの楽しみだという「魔将」です。そして、ロード・ロスとその配下の悪魔どもが暮らしているのが魔界「デモナータ」なのです。
悪魔たちは基本的に人間界に来ることが難しいのですが、人間の中に協力者を得ることで「デモナータ」と人間界のあいだに「まど」を開くことができます。そうやって到来した悪魔の目的はもちろん人間を虐殺することです。「デモナータ」シリーズの主人公たちは、本人がまったく望んでいないにもかかわらず、悪魔たちと戦わざるを得ない運命に陥ってしまいます。
この第3作『デモナータ 3 スローター
ホラー・ファンの私としては「う〜ん、満足だ」という出来栄えでした。ただし、残虐描写などは前シリーズより更に過激になっています。そのためスプラッタが苦手な方には到底お勧めできない一冊でもあります。ちなみに『スローター』とは「大虐殺」という意味です・・・。
(『デモナータ 3 スローター』ダレン・シャン、小学館、2006)
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- 2007-05-28
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『東京ゾンビ
《ストーリー》近未来の東京足立区。人々が産業廃棄物やら家庭ゴミやらを不法投棄し続けたため、巨大な山「黒富士」ができあがってしまった。その近くにある消火器工場のたった2人の従業員、フジオ(浅野忠信)とミツオ(哀川翔)は「柔術」の稽古に熱中する日々を送っていた。
ある日、本社社員の横暴に腹を立てたフジオは消火器で彼を殴り殺してしまう。フジオとミツオは死体を「黒富士」に運び、ひそかに埋める。だが、「黒富士」では途轍《とてつ》もなく奇妙な現象が生じていた。不法投棄された化学物質の複合作用で、埋められた死体がゾンビとなって歩き始めたのだ。
「お約束」通り、ゾンビの群れは生きた人間の肉を喰らい始める。フジオとミツオは、かねてから柔術修行のために渡航を考えていたロシアに向けて逃避行を開始する。けれども、北上するはずが正反対の熱海に着いてしまうなど大ボケを重ねているうちに、ミツオがゾンビに噛まれてしまった!
《感想》相当に馬鹿馬鹿しい映画です。が、これはこれで悪くありません。私(喜八)の「映画感想文」は、このパターン(これはこれで悪くない)が多いようですが・・・。ブログに書くのは「そこそこに面白い」以上の作品のみです。「これはダメだあ」という場合は単に無視しています。
古今東西を問わず「ゾンビ映画ジャンル」はクズの山なのですね。玉石混交。それも玉はいたって少なく、石ばっかりの玉石混交です。その中にあって、『東京ゾンビ
特殊効果、特にゾンビのメイキャップがチープ。ゾンビの数そのものも少ない。セットが貧弱などなど。いくらでもアラ探しはできます。でも低予算ムービーの弱点を探すのは趣味がよくありませんね(笑)。短所は一杯あって当たり前なのです。「アラがあるけど面白い!」が低予算ゾンビムービーの王道であり醍醐味というものでしょう(?)。
スキンヘッドの怪人「マーさん」を演じる曽根晴美が元気です。東映任侠路線・実録路線を通じて主にバイプレイヤーで活躍した曽根晴美氏。1937年生まれですから、この映画を撮っていたころは既に60代の後半です。けれども鍛え上げた身体といい、艶のある声といい、まだまだ若々しい! 久し振りに曽根氏の顔を見ることができて「儲けもの」という気分になりました。
劇の終盤で「大どんでん返し」があります。これまた馬鹿馬鹿しくはあるけれど、なかなか小粋なトリックが使われています。思わず「上手い!」と感嘆してしまいました。このトリッキーなミステリ展開(というほどではありませんが)のお陰で、全編の印象もだいぶ良くなりました。
予算を大幅にアップしての続編『東京ゾンビ2』を観てみたいものです。
(『東京ゾンビ
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- 2007-05-25
- カテゴリ : 映画
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わびすけさん(※女性です)から「新緑のトンネル」の写真を送っていただきました。
いよいよ初夏真っ盛りですね。
山歩きにも体力作りにも「いい季節」です!
以下はわびすけさんのメッセージです。
喜八さんこんばんはー。(以下ふたたび喜八)
今日(05-20)は忙しくなる予定でしたので、少し早起きして森林浴をして来ました。
木曽川ぞいの緑のトンネル、春には見事な桜のトンネルでした。
この風景も私のお気に入りです。
新緑のトンネル。
心がワクワクする素晴らしい光景です。
こういう道をジョギング(ウォーキング)コースに持っていると、大袈裟な言い方をすれば、人生の輝きが増すでしょうね(ちょっとキザですが・・・。汗)
歩くのは大変に「いい運動」であると、ほぼすべてのお医者さんが推奨します。でも「健康のため」だけにひたすら足を動かすとなると、気が重くなる方も少なくないと思います。
やはり「花鳥風月」を楽しみながら、散策を楽しむのが理想的です。ということになると、「四季の変化」に恵まれた日本のウォーカー(ジョガー)は世界的に見ても恵まれた存在であると言えるのではないでしょうか。
もっともウォーキング(ジョギング)そのものが、経済的に豊かな国でなければ普及しない習慣でしょうね。生活のために必死にならざろうを得ない国々では、一文にもならないのに歩く(走る)余裕はないと思います。日本でも昭和30年代くらいまではウォーカー(ジョガー)は少なかったでしょう。
以前、聞いたところによると、昭和20年代は山の遭難が多かったそうです。戦争中は気楽に山歩きなどすることもできず、終戦後、これまで抑えていた登山への情熱を解き放った人たちが続々と山に入った。しかし、栄養不足や登山道の荒廃といった要素もあって、遭難が多発したのです。
そんなことを考えると、平和で豊かな国「日本」に暮らす私たちの幸運がよく分かりますね・・・。
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- 2007-05-22
- カテゴリ : わびすけ通信
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『ウルトラヴァイオレット』
- ジャンル : 映画
- スレッドテーマ : 特撮・SF・ファンタジー映画

『ウルトラヴァイオレット
《ストーリー》21世紀末、人類は「超兵士」をつくろうとする試みに失敗し、新種のウイルスが蔓延することとなった。このウイルスに感染した者たち「ファージ」はバンパイアのような超人的な身体能力・知力を得るが、差別と排除の対象となる。
人類より「強い」存在であるファージに危機感を抱いた人間社会は、彼ら彼女らの絶滅に乗り出す。もちろん、ファージも黙って殺されるわけではなく、地下組織を結成して反撃を開始する。人間対ファージの激闘が続く。
やがて、人間側はファージを絶滅するための「最終兵器」の開発に成功する。その情報を得たファージ側は最強の戦士であるヴァイオレット(ミラ・ジョヴォヴィッチ)を敵の本拠地に送り込む。絶対不可能とも思える任務を、たった1人で完遂したヴァイオレット。だが、「最終兵器」が9歳の少年シックスであったことを知った彼女は、ファージと人間の両方を敵とする戦いに身を投じることとなる・・・。
《感想》ただもうひたすら強い、というより「無敵」なヴァイオレットの「大殺陣」を鑑賞するための映画です。ミラ・ジョヴォヴィッチ・ファンなら、背筋をぞくぞくしながら楽しめるでしょう。私(喜八)はまさしくミラ・ジョヴォヴィッチ・ファンなので、たっぷりと楽しめました。
ヴァイオレット=ミラ・ジョヴォヴィッチは「Gun Kata」と呼ばれる(架空の)格闘技の達人です。「Gun Kata」とは統計解析と射撃を高度に組み合わせた格闘術となっているらしく、ヴァイオレットは圧倒的多数の敵による銃撃に曝《さら》されても、弾を避けてしまい(!)、一瞬にして敵を倒してしまうのです(バカバカしいと言ってしまえば、それまでですが・・・)。
なお、『ウルトラヴァイオレット
ミラ・ジョヴォヴィッチは『バイオハザード』第一作のころと比べると、かなり身体を絞ったという印象です。『バイオハザード』では「スーパーモデル出身というわりには肉付きがいい。太股がむっちりしているし、お尻は後ろから写さないようにしているのかな?」と思ったのですが、『ウルトラヴァイオレット』ではぴったりした衣装につつまれたお尻を強調するカットが多いように感じました。
しばらく前に鑑賞したシャーリーズ・セロン主演のSF映画『イーオン・フラックス
ミラ・ジョヴォヴィッチとシャーリーズ・セロンはどちらも大好きな女優さんですが、『ウルトラヴァイオレット
(『ウルトラヴァイオレット
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- 2007-05-20
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映画『ギャザリング
《ストーリー》アーサー王伝説とロック・フェスティバルで有名なイングランド南西部サマセット州グラストンベリー(Glastonbury)の丘陵で2人の若者が惨死する。地下の古代教会跡に転落するという不幸な事故だった。この教会はキリスト像が背後を向くという顕著な特徴をもっていた。紀元1世紀に創設された後、中世の黒死病(ペスト)流行時に人の手により埋められたものらしい。
地下教会の遺跡が調査されつつあるころ、アメリカからの旅行者とみられる若い女性キャシー・グラント(クリスティーナ・リッチ)がグラストンベリーで交通事故に遭う。自動車に跳ね飛ばされ死亡しても不思議のない状況下、奇跡的にキャシーは軽症だった。しかし彼女は記憶を失っていた。
交通事故の加害者となったカークマン一家の住むライム・コート(Lime Court)にキャシーは一時滞在することになる。ここはかつて虐待された子供たちのための施設であった歴史をもつ古い屋敷だ。
カークマン家の2人の子供たち(マイケルにエマ)と親しくなったキャシーは、ライム・コートでの生活を楽しむようになる。が、不思議な幻覚をたびたび見るようにもなってゆく。幻覚はマイケルの運命と密接な関係があるらしい。
それと同時に灰色の服を身につけた奇妙な男女(Gathering)がグラストンベリーの街に現れ、キャシーにつきまとうようになる。何か忌まわしいことが起きるらしいという予感が強まるなか、キャシーはマイケルを守り抜くことを誓う・・・。
《感想》主演のクリスティーナ・リッチに尽きます。クリスティーナ・リッチのファンなら彼女の存在感ある演技を満喫できるでしょう。そうでなければ「いまひとつ物足りない映画」となるかもしれません。
私がクリスティーナ・リッチに最初に注目したのは『アダムス・ファミリー
その後『キャスパー
その後のクリスティーナは『スリーピー・ホロウ
『ギャザリング
劇中、サイモン・カークマン(マイケルとエマの父親)とルーク司祭の会話に「アリマタヤのヨセフ」とでてくるのは実在した人物です。キリスト処刑後に総督ピラトに願ってキリストの遺体を引き取り埋葬したと聖書に記述されています。
イングランドの古い伝説ではアリマタヤのヨセフはキリスト処刑直後にキリストを貫いた聖槍を持ってブリタニアに渡ったとされているようです。この聖槍は「ロンギヌスの槍」とも呼ばれています。ロールプレイングゲームでは「ロンギヌスの槍」は強力なアイテムとしてたびたび登場しますから、名前に聞き覚えのある方も少なくないでしょう。
映画『ギャザリング
■ 以下ややネタバレです ■
- 救急病院の場面、ストレッチャーで搬送中のキャシーの手の動き。
- キャシーは紹介される前からマイケルとエマの名前を知っていた。
(『ギャザリング
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- 2007-05-16
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