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『戦革機銃隊1945』

『戦革機銃隊1945』

映画『戦革機銃隊1945(原題:Straight Into Darkness)』ジェフ・バー監督(2005)について。

ストーリー》1945年、第二次世界大戦末期の西ヨーロッパ戦線。2人の脱走米兵がフランス領内をさ迷い歩いていた。爆撃による廃墟、死んだ家畜をむさぼる野良犬たち、ドイツ兵の死体、絞首刑にされた民間人たち、気の狂った人食い神父、雪の積もる森といった荒涼とした光景が続く。

とある廃墟に身を潜めた脱走米兵の2人は、奇妙な集団によって囚《とら》われてしまう。老齢の男と初老の女、そして障害がある子供たち(写真)で構成されたレジスタンス・グループだった。ドイツ軍の爆撃により寄宿学校を破壊された彼ら彼女らは、自《みずか》ら武器をとってドイツ兵との戦闘を続けていたのだ。

そこにドイツ軍部隊が現れる。戦車1台と歩兵60名。ドイツ軍指揮官は、廃墟に立てこもった脱走米兵とレジスタンスたちに降伏を呼びかける。しかし、老人・子供・米兵は「敵」との戦闘を選択する。最初は善戦するものの、兵力には差がありすぎた。凄惨な戦いの中で次々とたおれる子供たち・・・。

感想》奇妙な魅力に満ちた戦争(反戦)映画です。個人的には「心に残る作品」でした。

米兵2人が脱走した戦場はおそらく「バルジの戦い」でしょう。1944年12月、フランス・ベルギー国境地帯の雪深いアルデンヌの森で、ドイツ軍が最後の反攻作戦を展開し一時は優位に立ちましたが、後に連合軍の反撃により独軍は敗走。映画登場人物の米兵たちはドイツ側が優勢だったときに脱走したのだろうと私(喜八)は推測しました。

さ迷い歩く脱走兵たちが、とある森の中で絞首刑にされた民間人たちの遺体と邂逅する場面があります。最初は「ドイツ軍に虐殺されたフランス人」と思ったのですが、これは違うかもしれません。1945年01月の時点ではフランス全土はすでに「解放」されているはずですから。殺された人々は「対独協力者」としてフランス人同胞によりリンチされた、という設定なのかもしれません。

主人公たちと戦闘を交わすドイツ軍部隊指揮官が「たぶん、フランスが勝ったことも知らない間抜なパルチザンなんだろう」とつぶやく場面があります。このドイツ兵らは「バルジの戦い」で敗れ、本国ドイツに敗走する途中にあるのだと考えられます。彼らは「ある事情」で、この廃墟に立ち寄る必要があったのです。レジスタンスたちが廃墟を立ち去れば、両者は戦う必要などありませんでした・・・。

少年少女を率いる老人ディーコンを演じるのはベテラン俳優デヴィッド・ワーナー。個人的には、サム・ペキンパー監督作品『砂漠の流れ者/ケーブル・ホーグのバラード』『わらの犬』『戦争のはらわた』などでお馴染みの俳優です。そのためか、今回鑑賞した『戦革機銃隊1945』と『戦争のはらわた』の2本の映画にはどこか似たところがあると感じます。凄絶な戦闘を描きながら戦争の虚しさを描き出す「反戦映画」であるところが共通しているのでしょう。

ところで『戦革機銃隊1945』という邦題は有名なアニメ映画のもじりのようですね。映画の内容とはまったく合っていません。「ずいぶん投げやりなタイトルをつけたな」と思います。


(『戦革機銃隊1945』ジェフ・バー監督、2005)

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