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『ゾンビ』

『ゾンビ』ジョージ・A・ロメロ監督

映画『ゾンビ(原題:Dawn of the Dead)』ジョージ・A・ロメロ監督(1978)について。

ストーリー》人工衛星の落下事故により放射汚染事故が発生し、その影響で死者たちが甦り、生者を襲い始める。歩く死者(リビングデッド)にとっては、生ある人間の血肉だけが食料となるのだ。

アメリカ合州国ペンシルバニア州フィラデルフィアのテレビ局に勤務するフランシーンゲイリン・ロス)、ヘリコプター・パイロットのスティーブンデイヴィッド・エンゲ)、特別狙撃隊警察官のピーターケン・フォリー)とロジャースコット・H・ラインガー)の4人は、襲い来るゾンビたちから逃れるため、ヘリコプターで都会を脱出した。

疲れきった彼らが「安息の地」に選んだのはピッツバーグ郊外の巨大ショッピング・モールだった。が、そこも「終の棲家」とはなりえなかった。暴徒と化したモーターサイクル・ギャング団とゾンビの群れが襲来してきたのだ・・・。

感想》ゾンビ映画の第一人者ジョージ・A・ロメロ監督「ゾンビ三部作」の第二作目。先行する『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド(原題:The Night of Living Dead)』(1968)の数日後からストーリーは始まる、という設定になっています(ただし登場人物はまったく異なる)。

この映画『ゾンビ』は封切り時に東京都新宿区の映画館「新宿パレス(後に「新宿パレス座」に改名)」で鑑賞しました。ちょうど私(喜八)が大学に入った年でした。それまでの人生でスプラッタ映画を観たことはありませんでしたから、言葉ではいい尽くせぬほどの強烈な衝撃を受けました。

後には血まみれのホラー映画などには慣れてしまいましたが、当時は本当に驚かされたのです。さらには、ゾンビの群れが人肉をむさぼる場面を観ながらフライドチキンを食べている人が映画館にいたため、吐き気さえ催したのをよく覚えています。

いまDVDで『ゾンビ』を観なおしてみると、ゾンビたちのメイクがいたって安直なのがユーモラスに感じます。一部の凝った意匠のゾンビを除くと、ただ単に顔を青白く塗っただけのエキストラも多いのでしょう。とはいえ、そのために恐怖感が減ずるわけではありません。『ゾンビ』は非常に「怖い」映画です。

ロメロ三部作はなぜ怖いのか?」を考えたことがあります。

結論めいたもの。「血まみれ」が怖いのではない。単に残酷な描写ということであれば、他監督作品にはもっと過激なものが山ほど存在します。ロメロ作品では、愛する者を失うことの極限の恐怖や、無知や偏見が生む人間の行為の恐ろしさが丹念に描かれている(嬉々としてゾンビを狩るハンターなど)。つまるところ恐怖の根源はゾンビにではなく、人間の側にあるのです。

特殊効果を担当するトム・サヴィーニ(Tom Savini)が俳優としても大活躍しています。映画の終盤に登場するモーターサイクル・ギャング団の幹部、マチェット(山刀)をもった髭の男がそれです。非常にいい味をだしています。

ヘリコプターの給油を行なう場面で、ピーターを襲う2人の子供ゾンビは、トム・サヴィーニの甥と姪だそうです。サヴィーニは後にリメイク版『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(これはよくできている)の監督も務めほど、ゾンビ映画づいています。が、彼が出演しているからといって、それが優れたゾンビ映画とは言えません。残念ながら・・・。

ゾンビ映画には傑作が少ないのです。ロメロ監督ゾンビ三部作の他には数えるくらいしか「面白い!」といえる作品はないと私は思っています。正直なところ、大半のゾンビ映画の「端にも棒にもかからない」愚作でしょう。とはいえ、近年は『バイオハザード』『ドーン・オブ・ザ・デッド』など佳作が続いたので、今後に期待したいところです。



(『ゾンビ』ジョージ・A・ロメロ監督、1978)

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